時代物アクション漫画の最高傑作『あずみ』を振り返る[2]【死生観と思想】

[第2回] あずみの思い出を気ままに振り返っています。

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『あずみ』の死生観と思想

少年漫画風の絵柄からは、想像もしえないほどのシビアな展開に驚かされる第一話だったが、二話目はさらに拍車がかかる。

大殺戮漫画の始まりである。
この下谷の村の人たちというのも、子供たちにとっては唯一交流のある人たちで、かつ、この直前に遊びに行って親交を深めたばかりだ。

暗殺者として育てられた子供たちも、さすがに戸惑い、皆で相談を始める。

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この究極の試練にも、子供たちが自分の考えを言い合って結論までたどり着く過程を、話を逸らすことなく真正面から描いているところが、やはりすごい。その結論の善悪は別の問題として。

年長のうきはは、すでに覚悟が決まっているようすで、あまぎやひゅうがも、それぞれ犠牲の理由を見つける。おっとりしたながらは疑問はもっているものの、そこまで思想は強くなさそうだ。

結局、あずみも迷いながら、爺と”爺を信じるなち”を信じるということで、落としどころを見つけている。ただ、この疑問はずっとあずみの中にくすぶっていて、後々のあずみの苦悩につながっていく。

今後も、つねに使命のために犠牲になる人たちへの視点と、その時その時のあずみが犠牲に対する落としどころを探す過程がしっかり描かれるのも『あずみ』を骨太な漫画にしている重要な要素だと思う。


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『あずみ』

  • 著者: 小山ゆう
  • 出版社: 小学館
  • 連載誌/レーベル: ビッグコミックスペリオール / ビッグコミックス
  • 連載期間: 1994年 – 2008年
  • 全巻数: 全48巻(文庫版は全24巻)
  • ジャンル: アクション漫画・時代漫画


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