もう一度『あずみ』を読む[17]【描かれる思春期と性・くノ一のオナニー、タブーなきリアリティ】―時代物アクション漫画の最高傑作―

[第17回] あずみの思い出を気ままに振り返っています。

最新の更新はこちら


描かれる思春期と性・4

くノ一のオナニー、タブーなきリアリティ

諜報役で出てくるくノ一のキャラクターが強烈だった。

幼い頃から女業を仕込まれたのだろう、その影響で性に目覚め、オナニーの常習者になっている。

暗い場所で色恋の情事に聞き耳を立てていると、役得とばかりに性器をまさぐって自慰がはじまる。手つきや雰囲気からいって、この手の仕事のときはいつもしているに違いない。

はっきりとは描かれていないものの、イッたと思われるコマもあり、そこもふくめて、意味のないタブーを作らない姿勢は清々しくもある。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

あずみ(1)【電子書籍】[ 小山ゆう ]
価格:759円 (2024/12/15時点)


試し読みあり!

そもそも、くノ一となれば性の技を仕込まれるのは共通認識だ。相手を色仕掛けで惑わし情報を得たり、思い通りに操ったり、またはその場で暗殺したりと、それは強力なツールになる。

だから忍術作品には色仕掛けのシーンが溢れている。でも大抵の作品では、色仕掛けのセックスシーンは盛り沢山だが、くノ一のパーソナリティを掘り下げるような自慰の描写は見たことない。

『あずみ』という作品は、こういう「描かれないリアリティ」に踏み込んでくるのが面白い。

考えてみれば、幼い頃に性の技を仕込まれれば、その後も性に嫌悪感を抱くか、あるいは早くもその快感に目覚めるかのどちらかだろう。

教える上忍の腕が良ければ、後者になるのは当然で、このくノ一は性を楽しんで受け入れている。どこでも構わずオナニーにふけり、また夜ごと上忍とのセックスを楽しむシーンもある。

一見、破廉恥で野放図なようにも見えるが、そこにはなんの罪もないはず。このくノ一の生活には影はない。もちろんこういう人生が良いかというのは別の話として。

あずみとの対比も興味深い。

あずみは殺人者として育てられ、常に使命に苦悩している。一方このくノ一は、性の技を仕込まれたが、それを自然なものとして楽しんでいる。同じように特殊な教育を受けても、この違いはどこから来るのか。

おそらく「暴力」と「性」という行為の違いだろう。暴力は一方的に他者を傷つけるが、性は快楽という報酬が伴う。だからこそくノ一は自分の役割を受け入れられる。

こういった他の漫画では描かれないような、それでいて確実にキャラクターのリアリティに迫るような描写が、やはりこの作品の魅力だ。

……つづく

「あずみ」更新一覧へ


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

あずみ(1)【電子書籍】[ 小山ゆう ]
価格:759円 (2024/12/15時点)


試し読みあり!

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【中古】あずみ <全48巻セット> / 小山ゆう(コミックセット)
価格:10,923円(税込、送料無料) (2024/12/1時点)


『あずみ』

  • 著者: 小山ゆう
  • 出版社: 小学館
  • 連載誌/レーベル: ビッグコミックスペリオール / ビッグコミックス
  • 連載期間: 1994年 – 2008年
  • 全巻数: 全48巻(文庫版は全24巻)
  • ジャンル: アクション漫画・時代漫画

もう一度「あずみ」を読む 更新履歴


小山ゆう 作品リスト



試し読みあり!


試し読みあり!


試し読みあり!


試し読みあり!


試し読みあり!


試し読みあり!


試し読みあり!

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

雄飛(1)【電子書籍】[ 小山ゆう ]
価格:693円 (2024/12/1時点)


試し読みあり!


試し読みあり!


試し読みあり!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です